研究課題
基盤研究(C)
心房細動に伴う血栓塞栓症は全ての患者で一様ではなく、加齢の他に高血圧、左心不全などが危険因子として報告されている。しかし、そのメカニズムは未だ不明である。最近、心房細動により心房内皮の抗凝固能が低下することが報告され(Circulation 2003;108:2450-2452)、心房内皮機能の改善が心内血栓予防に有用であることが示唆された。また近年報告されている心房細動のアップストリーム治療の有用性を鑑みると、心房細動の発生及び血栓症発症に炎症が関与していることが示唆される。心房細動患者でheat shock protein(HSP)60の発現が増加していることが報告されたが(Basic Res Cardiol 2002;97:258-261)、HSP60はToll like receptor(TLR)4の内因性リガンドである(N Engl J Med, 2002;347:185-192)。そこで我々はTLRを介する自然免疫が心房細動の発生や心内血栓形成に関与しているという仮説を立てた。大動脈バンディング心不全モデルにおいて高頻度に心内血栓が観察されるが、TLRノックアウトマウスでは心内血栓は認められない。実際、TLR4ノックアウトマウスでは、vascular cell adhesion molecule(VCAM)-1の発現が抑制されていた。現在、内皮型NO産生酵素の活性化を検討中である。また心房細動患者とペーシングモデルにおけるTLRの発現を検討している。これよりTLRを介する自然免疫の関与が明らかになると思われる。
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