研究課題/領域番号 |
17590714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鳥羽 健 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60313540)
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研究分担者 |
加藤 公則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (00303165)
塙 晴雄 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40282983)
相澤 義房 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50143780)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 血管再生 / 赤芽球 / エリスロポエチン / 体外増幅 / 細胞治療 |
研究概要 |
骨髄細胞移植による血管再生治療が行われている。本治療では患者から全身麻酔下に500-1,000mLの自己骨髄を採取する必要があり、患者に大きな苦痛を強いる。より洗練された細胞治療の開発を目指して、本研究を行った。 最初に骨髄細胞移植による血管再生の作用機序に関する研究を行った。我々は骨髄における恒常的な血管の再構築が当該治療によって骨髄外で再現されたものと考えた。骨髄細胞のうち、血管増殖因子を強力に分泌している細胞は赤芽球であった。体外での血管新生培養を用いた共培養実験では、造血幹細胞から得られた赤芽球コロニーに強い血管新生作用があったが、白血球コロニーには血管新生作用がなかった。マウス下肢虚血モデルを用いた骨髄細胞移植による治療実験では、赤芽球が血管再生の主役であることがわかった。エリスロポエチンには赤芽球に対する生存因子作用があるが、骨髄細胞移植にエリスロポエチンを併用することで血管再生効果が向上した。 つぎに、強力な血管新生作用のある赤芽球を、少量の患者骨髄を資源として体外培養によって効率よく増幅する技術の開発を行った。その結果、わずか1mLの骨髄細胞を各種造血因子のカクテルを用いて体外で2週間培養し、500-1,000mLの自己骨髄に匹敵する血管新生能を有する赤芽球浮遊液を収穫する培養条件を確立した。マウス下肢虚血を用いた治療実験でも、本法によって得られる体外増幅自己赤芽球が骨髄細胞移植に匹敵する血管新生能を有することが示された。 本治療法は、「重症下肢虚血患者に対する体外増幅赤芽球移植療法の第1・2相試験」として、当施設に設置の倫理委員会の承認、およびIRBの承認を受けており、適応患者の発生を待って、当施設に設置のGMPグレード細胞培養センター(CPC)を用いて実施される予定である。
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