研究課題
基盤研究(C)
高血圧による心筋リモデリングの過程において、細胞外マトリックス蛋白を分解するSerine Protease (SP)とMatrix Metalloproteinases (MMPs)が重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。しかし、近年の動物実験や臨床試験などの研究により、それらを阻害するだけでは十分な心筋リモデリングを抑制できず、また十分な心機能改善効果も得られないことが明らかにされてきた。これらの結果から、我々はSPならびにMMPs以外の蛋白分解酵素が心筋リモデリングに関与している可能性を推測した。近年、Cysteine proteasesであるカテプシンSとKが種々組織の病的リモデリングへの関与が指摘されている。特に、最近の我々とShi教授らの共同研究によりこれらの酵素の血管リモデリングへの関与が明らかになった。しかしながら、このような酵素の心臓における役割に関しては、心筋細胞での発現さえ不明である。以上の研究成果を踏まえ、我々は心筋細胞由来のカテプシンSならびKの心筋リモデリングへの関与を提唱し、食塩感受性Dahl-ラットに肥大期、不全期及び正常対照群の心を作成し、心筋におけるカテプシンSならびにKのmRNAと蛋白発現を検討した結果、不全期心筋において肥大期と正常対照群より3〜5倍の増加が観察された。同時に、不全期心筋でのエラスターゼ活性も4倍増加するのが確認された。これらの酵素の発現と活性の増加はARBであるオルメサルタンの投与によって著明に低下した。さらに、オルメサルタンは酸化ストレスや炎症性サイトカインの発現や細胞浸潤を抑制するとともに、心機能を改善した。これらの効果は選択的カテプシン阻害剤投与によっても観察された。生体外実験で、オルメサルタンはIL-β1やH_2O_2の刺激によるカテプシンSの発現及び活性の増加を抑制した。
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