研究課題/領域番号 |
17590721
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀場 充 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (40345913)
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研究分担者 |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
門松 健治 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80204519)
安井 健二 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (70283471)
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キーワード | ミッドカイン(MK) / 虚血性心筋障害 / アポトーシス |
研究概要 |
マウス心筋傷害モデル(虚血再灌流による)の作成と心機能評価 急性期、慢性期モデルとも腹腔麻酔後人工呼吸管理下に開胸し、左冠動脈前下行枝を30分結紮したのち再開放することで心筋虚血再灌流を作成した。急性期モデルは24時間後に心臓超音波にて心機能を評価後、心臓を摘出し傷害面積、病理組織学的変化、傷害関連の各種蛋白発現などの比較検討を行ったところ、野生型に比べてMKKOでの著しい心機能低下が認められ、さらにMKKOにて梗塞巣周囲でのアポトーシス亢進がTUNEL染色にて確認された。慢性期モデルでは野生型マウスとMKKOそれぞれにつき、2-4週間経過観察しその間の死亡率を比較した。心臓超音波にて経時的に心機能および壁厚や内腔径など形態変化の観察をおこない、心臓摘出後には急性期と同様に傷害面積、病理組織学的変化などの比較検討を行ったところ、いずれもMKKOにおいて野生型マウスより悪化した所見が認められた。 MK蛋白投与による心筋傷害抑制効果の評価 生体中でのMKの心筋細胞保護効果を解析するため野生型マウスに対してMK蛋白投与を行った。急性期モデルにおいては再灌流時に30G針にて心室筋内にMK蛋白を直接注入したところ、MK蛋白の心筋内注入により傷害面積の有意な減少を認めた。慢性期モデルでは心筋傷害モデル作成時にMK蛋白を注入した徐放カプセルを皮下に埋め込むことで安定したMK投与を持続させた。 急性期、慢性期とも心臓超音波による心機能評価をおこない、心臓摘出後には障害面積、病理組織学的変化を解析したところいずれもMK蛋白投与による治療効果を認めた。 以上のことからMK蛋白による虚血性心筋障害への治療の可能性が示唆された。
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