研究課題
基盤研究(C)
梗塞後の心室リモデリング進展におけるテネイシンCの役割を解明するために、12週令オスBalb/cバックグラウンドテネイシンCノックアウトマウスおよび野生型マウスの冠動脈を結紮し心筋梗塞モデルを作成した。結紮後28日までの生存率には差がみられなかったが、28日後の心機能解析で左室拡張終期径、左室収縮終期径、左室拡張末期圧はノックアウトの方が有意に低く、左室駆出率、fractioning shortningはノックアウトのほうが有意に大きく、テネイシンCがない方が梗塞後の心機能の改善が良好であった。梗塞巣の大きさには差は見られなかったが、境界部付近の残存心筋細胞肥大の程度および残存心筋間質の線維化の程度はノックアウトのほうが有意に低かった。さらに、アンジオテンシンII投与モデルでノックアウトではマクロファージの集籏が有意に少なく、反応型線維化が有意に抑制されていた。これらの結果は、急性心筋梗塞、拡張型心筋症患者で血中テネイシンC濃度が高い症例は心室リモデリングをおこしやすく予後が悪いという我々の最近の結果を支持した。さらに、CAGプロモーターとマウステネイシンC遺伝子の間にloxではさんだstopを挿入したトランスジェニックマウスを作成し、α-myosin heavy chain(αMHC)プロモーターCrePRIマウスあるいα-smooth muscle actin Creと交配したF1lでテネイシンCの心臓での過剰発現を試み,ほぼ設計通りに心筋細胞特異的にテネイシンの過剰発現が誘導できること、さらにWestern Blotで全長の分子ができていることが確認できた。このマウスの心筋傷害後の修復過程では、筋線維芽細胞が野性型より多く動員され、凝固壊死域周囲の間質線維化の程度も野性型より強く、ノックアウトマウスにみられた心筋組織修復の変化を裏付ける結果が得られた。
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