研究課題/領域番号 |
17590730
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294092)
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研究分担者 |
大津 欣也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20294051)
松村 泰志 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (90252642)
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キーワード | 心筋梗塞 / 遺伝子多型 / 予後調査 / 疫学研究 / 危険因子 |
研究概要 |
本年度は、二次スクリーニングから抽出された約20の遺伝子多型について申請者らが集積している予後情報との連結を行い、χ2乗検定・log-rank testやCox regression analysisなどの統計学的手法を用いて予後あるいは心血管イベントとの関連を評価した。その結果、これまでに基礎実験レベルで報告されている動脈硬化関連遺伝子多型のうち、臨床上マーカーとしての有用性が期待されるものが数多型抽出された。特に、Lymphotoxin-A(A-252G)遺伝子多型は以前に報告されたように梗塞の発症リスクを上昇させる因子であるが、本研究では発症のみならず予後にも関与することが明らかとなり、古典的な危険因子とは独立した新たな予後リスクファクターである可能性を論文に投稿した。また、層別解析の結果、本遺伝子多型はほぼ全層に渡り予後リスクを上昇させることが示されたが、高脂血症治療薬であるスタチンの投与下においてはそのリスクが減弱した。この結果はある種の遺伝的リスクは薬剤介入によって修飾されうることを示した一例であると考え、特許申請を行うとともに現在論文投稿中である。さらに、同様の遺伝子-薬剤相互作用が他の遺伝子多型および薬剤にも見出せないかを検索した結果、交感神経ベータ受容体の遺伝子多型がアンギオテンシン変換酵素阻害薬またはアンギオテンシン受容体拮抗薬投与有効群の選別に有用であることを見出し、さらに別途特許申請を行った。
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