研究課題/領域番号 |
17590736
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
草野 研吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60314689)
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研究分担者 |
中村 一文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10335630)
大江 透 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70263556)
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
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キーワード | 心筋虚血 / 遺伝子治療 / 再生医療 / Sonic Hedgehog / 心筋再生 |
研究概要 |
1 培養心筋線維芽細胞に対する作用。 Sonic hedgehog(Shh)蛋白を添加することによる、培養心臓線維芽細胞からの種々のサイトカインの誘導を定量的PCRで検討したところ容量依存的に、血管新生に関連するVEGF、angiopoietin-1,2の増加が生じていた。他のサイトカインの検討では、抗アポトーシスを促すIGF-1さらに末梢血幹細胞を局所に集積させる作用のあるSDF-1の増加が生じていた。これらの増加は、Shhカスケードの下流にあるtranscriptional factorのGliの発現に比例しており、Shh投与によって、様々なサイトカインが心臓線維芽細胞から生じていることがわかった。 2 抗アポトーシス作用の検討。 Vivoにおける抗アポトーシス作用の検討には、マウス心筋梗塞モデルを用いた。Shhプラスミド100μgを直接injectionしたあと4週後にactive-caspase3染色を行ったところ、borderzone領域に認められる陽性心筋領域は有意に減少しており、vivoモデルでの抗アポトーシス作用が確認された。さらに、vitroの検討ではH2O2添加による培養心筋細胞のアポトーシス誘導がShh蛋白の前処置によって抑制されるかを検討したところ、TUNEL陽性心筋細胞は有意に減少しており、Shhの抗アポトーシス効果が確認された。 3 局所への幹細胞誘導の検討。 Tie2/LacZキメラマウスを作成したのち、心筋梗塞を作成し、Shhプラスミドinjection後1週、4週目に骨髄由来の血管内皮前駆細胞(EPC)の集積をXgal染色で確認した。Xgal陽性細胞は、有意にShhプラスミド投与群で増加しており、虚血部位への幹細胞誘導がShh投与によって増加していることが確認された。 以上の結果は、Nature Medicine2005に掲載された。
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