研究課題/領域番号 |
17590749
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
矢野 捷介 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50039864)
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研究分担者 |
芦澤 直人 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (10301368)
瀬戸 信二 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (00136657)
田中 協栄 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (10380875)
寺薗 英之 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30398143)
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キーワード | オンチップ / 心筋ネットワーク / 心筋拍動 / 同期 / 細胞間相互作用 / コネキシン43 |
研究概要 |
本研究の目的は、通常の分散培養では解析不可能であった、心筋構成細胞間の相互作用を「オンチップ・セロミクス計測システム」を用いて、詳細に観察することである。まず、ラット心筋細胞を用いて、心筋細胞の拍動同期に細胞の接着が必要であるか否かを検討した。心筋細胞を非接着性のアガロース上で数時間浮遊培養しても拍動しなかったが、微細加工を施した接着性の足場となるマイクロチャンバー内で培養することにより、1細胞でも拍動を開始することが明らかとなった。また、それぞれ自動拍動能を持つ心筋細胞でネットワークを作成すると、拍動の同期現象が認められた。同期現象が認められた細胞を免疫組織学的手法で検討した結果、細胞間にコネキシン43の発現が認められ、細胞間の同期現象にGAP結合が関与していることが明らかとなった。 次に薬物添加時の反応について検討を行った。交感神経β-agonistであるイソプロテレノールを添加すると、濃度依存的に拍動頻度が増加し、その影響は薬物をwash outすると、直ちに消失することが確認できた。またイソプロテレノール添加時においても、接着した心筋細胞間の同期性が保たれる事も確認できた。 最後に、ネットワークを構成する心筋細胞数の違い(1、2、4、9細胞)による拍動同期の変化を検討した。心筋細胞の拍動同期は2細胞以上で生じ、この拍動同期現象は細胞数が増えても認められた。また、細胞数が増えるにしたがい、拍動間隔の揺らぎ(バラツキ)が小さくなることも明らかとなった。つまり、同期している細胞数が多いほど、全体としての拍動が安定していくものと考えられる。
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