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2005 年度 実績報告書

活性酸素種を介した糖代謝による心筋細胞死の制御

研究課題

研究課題/領域番号 17590754
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大分大学

研究代表者

米持 英俊  大分大学, 医学部, 助教授 (40191671)

研究分担者 高橋 尚彦  大分大学, 医学部, 助手 (30263239)
キーワード活性酸素種 / 高血糖 / ミトコンドリア / グルタチオン / アポトーシス
研究概要

糖尿病患者では再灌流後や心筋梗塞後での心不全発症率が高く、その生命予後も不良であることが疫学調査等で明らかにされている。最近、血管病変とは無関係な代謝障害に起因する心筋細胞障害、いわゆる糖尿病性心筋症がその一因と考えられるようになったが、その病態は不明である。そこで、私どもは高血糖によるミトコンドリアでの代謝障害により厳格にコントロールされていた活性酸素種の制御が破綻し、制御不能となった多量の活性酸素種がミトコンドリア機能障害による細胞死(アポトーシス)を引き起こすとの仮説を幼弱ラット培養心筋細胞で検討した。
フローサイトメーターで、アポトーシスはSSC/FSC、活性酸素種はDCF、ミトコンドリア内膜電位はRh-123で評価した。また、細胞内glutathione(GSH)濃度は蛍光顕微鏡でmonobromobimane(MBB)の蛍光強度で評価した。
1.培養液中のグルコース濃度が5.5から50mmol/Lの範囲の状態で、最長96時間し、培養心筋細胞のアポトーシス、活性酸素種量、ミトコンドリア内膜電位のタイムコースを調べた。グルコース濃度が25mmol/Lまでは、心筋細胞のアポトーシスは初期には減少し、逆にその後は増加した。50mmol/Lでは初期のアポトーシスの減少は見られず、早期から増加した。グルコース濃度が25mmol/Lまでは心筋細胞の活性酸素種の産生は48時間までは軽度の上昇(1.5倍)であったが、72時間後には著名に増加した(2倍以上)。また、ミトコンドリア内膜電位は初期のアポトーシス減少時から上昇し、72時間ではその増加は有意なものであった。細胞内GSH濃度は72時間まで対象群と差はなかったが、84時間後には有意に低下していた。高血糖によるこれらの変化は活性酸素種の消去剤とミトコンドリアの電子伝達系阻害剤で阻止された。
2.ストレス反応
外因性の酸化ストレスに対する反応性をアポトーシスが減少している72時間と、増加している96時間で対照群と比較した。過酸化水素によるアポトーシスは72時間の高血糖群で有意に増加していた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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