研究課題/領域番号 |
17590766
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
赤澤 純代 金沢医科大学, 病院, 助手 (80340016)
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研究分担者 |
小室 一成 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30260483)
梶波 康二 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40262563)
大久保 信司 東京医科大学, 医学部, 教授 (50213658)
赤澤 宏 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手相当 (20396683)
竹田 健史 金沢医科大学, 医学部, 助手 (90340009)
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キーワード | 心筋細胞 / インバースアゴニスト活性 / メカニカルストレス / 心肥大 / AngII / AngII 1型受容体拮抗藥(ARB) / 心不全 / ERK |
研究概要 |
わが国では5種類のアンジオテンシンII(AngII)Iタイプ1(AT1)受容体プロッカー(ARB)が市販され、降圧薬として広く使われている。これらARBは多様な薬理学的特性を示すが、臓器保護作用を規定する因子としてインバースアゴニスト活性が近年注目されている。ARBのインバースアゴニスト活性の違いを明らかにするために、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、オルメサルタンについて、活性型変異体の自律的活性に対する抑制効果と伸展刺激による受容体活性化に対する抑制効果を比較検討した。 受容体の自律活性に対するARBの抑制効果は、AT1受容体の111番目のアスパラギン残基をグリシンに置換した変異体(AT1-N111G)は受容体の自律的活性が亢進することが知られており、内因性のAT1受容体の発現が検出されないCOS7細胞にAT1-N111G変異体を強制発現させて、c-fos遺伝子の転写活性をルシフェラーゼアッセイにより評価した。また、伸展刺激による受容体の活性化に対するARBの抑制効果は、内因性のAngIIが存在しないHEK293細胞にAT1受容体を強制発現させて、伸展刺激によるERKsリン酸化を評価した。その結果、ロサルタンは軽度のインバースアゴニスト活性しか示さなかったのに対して、バルサルタン、カンデサルタン、オルメサルタンは中等度以上のインバースアゴニスト活性を示した。 ARBはビフェニルテトラゾールリングを共通の基本構造としているが、イミダゾールリングの側鎖構造が異なっている。特に、バルサルタン、カンデサルタン、オルメサルタンが側鎖として有しているカルボキシル基をロサルタンは有していないことから、ARBのインバースアゴニスト活性にはイミダゾールリングのカルボキシル基が重要な役割を果たしている可能性が考えられた。
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