1.心筋傷害動物モデルでの心筋内アディポネクチン発現解析 研究方法;EMCウイルス性心筋炎モデルにて、心筋内アディポネクチンがどう発現し制御を受けるかを解析し、アディポネクチン投与で心筋傷害が軽減されるかを検討した。 研究結果;アディポネクチン(1-50・g/day)を14日連日腹腔投与し、心筋内TNF-・発現抑制を、組織内遺伝子発現、免疫組織染色にて確認した。炎症サイトカイン転写因子のNF-・Bの抑制効果を心筋内組織で明らかにできた。ウイルス抑制作用のNK細胞活性の亢進も認めた。 2.ヒト心筋組織によるアディポネクチン発現の検討 研究方法;心筋梗塞や拡張型心筋症での剖検例で、免疫組織学的検討により、心筋傷害時に発現することを確認した。炎症との関連を検討する。 研究結果;心筋梗塞では、虚血心筋の辺縁に顆粒状に発現していた。また冠動脈内皮細胞に強く発現を認めた。拡張型心筋症では、肥大心筋に発現が強く、心筋傷害と関連していることが判明した。 以上の研究結果から、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンは心筋傷害時に心筋自身から発現し傷害を抑制する方向に作用することは明らかとなった。
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