研究課題/領域番号 |
17590769
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
永田 剛 久留米大学, 医学部, 助手 (70289429)
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研究分担者 |
安川 秀雄 久留米大学, 循環器病研究所, 講師 (60289361)
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 助教授 (60281531)
森 隆宏 久留米大学, 医学部, 助手 (80389254)
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キーワード | 心筋肥大 / 心筋アポトーシス / 圧負荷 / gp130 / SPRR1A |
研究概要 |
高血圧などによる圧負荷は心肥大や心不全の大きな要因である。LIFやCT1などのIL-6ファミリーサイトカインはファミリーに共通の受容体であるgp130を介してJAK/STATを活性化し、心筋細胞の生存を促進し心筋肥大を誘導する。申請者は、gp130経路によって特異的に誘導されるSPRR1A (small proline rich repeat protein)を同定している。 本年度はSPRR1Aのアデノウイルスを用いて、心筋細胞のアポトーシスや肥大におけるSPRR1Aの役割を明らかにした。また、マウス圧負荷モデルにおけるSPRR1AとSPRRファミリー遺伝子の発現についても検討した。さらに、心筋特異的にSPRR1Aを発現するトランスジェニックマウスを作製し、4つのマウスラインを得ることができた。 (1)SPRR1Aは心筋細胞のアポトーシスを抑制する。 ラットの心筋細胞にアデノウイルスを用いてSPRR1Aの遺伝子を導入し、2-deoxyglucoseによってアポトーシスを誘導した。コントロールに対してSPRR1Aの遺伝子を導入した群ではアポトーシスが優位に抑制された。また、SPRR1Aの遺伝子を導入した心筋細胞では心筋細胞に肥大を誘導した。 (2)SPRR1Aは圧負荷心筋に誘導される。 マウスの圧負荷モデルを作製しタイムコースでSPRRファミリー遺伝子の発現を観察した。負荷をかけていない心筋ではSPRR1Aの発現は認めないが、負荷後4日目にSPRR1AのmRNAの誘導が観察された。負荷後7日目にはmRNAの発現は消失したが、タンパクレベルでの発現は負荷後14日目まで持続していた。 (3)心筋特異的SPRR1A発現トランスジェニックマウスの作製 Alpha-myosin heavy chainプロモーターの下流にmycタグとマウスSPRR1AのcDNA, SV40のpolyAを有するコンストラクトを作製し、定法に従ってトランスジェニックマウスを作製した。トランスジーンの確認は、PCRとmyc抗体によるウエスタンブロットによって確認した。その結果、発現の異なる4つのマウスラインをえることができた。
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