研究課題/領域番号 |
17590769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
永田 剛 久留米大学, 医学部, 助手 (70289429)
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研究分担者 |
安川 秀雄 久留米大学, 循環器病研究所, 講師 (60289361)
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 助教授 (60281531)
森 隆宏 久留米大学, 医学部, 助手 (80389254)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 心筋の生存 / 心筋虚血 / メカニカルストレス / IL-6 / SPRR1A / MAP kinase |
研究概要 |
メカニカルストレスとIL-6ファミリーサイトカインで特異的に誘導される新しい遺伝子を検索するために、LIFで刺激した培養心筋細胞を用いたSAGE (serial analysis of gene expression)解析、および圧負荷をかけたマウスの心臓を用いたジーンチップ解析を行った。このような2つの遺伝子解析を組み合わせたユニークなアプローチで、圧負荷と-IL-6ファミリーサイトカインで特異的に誘導されるSPRR1A (small proline rich repeat protein 1A)を同定した。圧負荷、虚血や感染などによるストレスは心筋障害を誘発し、心不全の大きな要因となる。IL-6ファミリーサイトカインは心筋の生存において極めて重要な役割を持っているが、IL-6ファミリーサイトカインがどのような標的遺伝子を誘導し、どのようなメカニズムで心筋の生存を促進しているかは不明であった。本研究では、LIFで刺激した培養心筋細胞を用いたSAGE解析と、圧負荷をかけたマウスの心臓を用いたジーンチップ解析を行うことによって、圧負荷とIL-6ファミリーサイトカインで特異的に誘導されるSPRR1Aを同定した。さらに、圧負荷や虚血の際に障害心筋と残存心筋の境界域でSPRR1Aが誘導されることを明らかにした。また、SPRR1Aを心筋細胞や心臓に遺伝子導入することによって、心筋細胞の生存が促進し、虚血再還流による心筋障害が抑制されることも明らかとなった。このように、圧負荷や虚血などのストレスによる障害心筋と残存心筋の境界域、すなわちストレス(負荷)が最も大きいと考えられる残存心筋においてSPRR1Aは心筋細胞の生存を促進し、ストレスによる心筋障害を抑制している可能性が示唆される。 IL-6ファミリーサイトカインは多彩な機能を持っている。例えばIL-6はB細胞の抗体産生、肝細胞におけるCRPやフィブリノーゲンなどの急性期蛋白誘導、破骨細胞の活性化による骨吸収促進や血小板産生促進などの生理活性を有し炎症を誘発する。したがって、IL-6そのものを治療に用いることは困難であると考えられる。SPRR1AのようなIL-6の標的遺伝子を同定し、その機能と病態との関連を明らかにすることによって、IL-6標的遺伝子が新しい治療のターゲットとなることが期待される。
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