研究分担者 |
吉田 秀見 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40201008)
佐藤 敬 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125438)
高梨 信吾 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10187982)
亀井 克彦 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (10214545)
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研究概要 |
C型肝炎ウイルスによる、炎症性サイトカインの一つであるinterleukin(IL)-8の発現誘導に、retinoic acid-induciblegene-I(RIG-I)が関与していることを見い出した(Wagoner J, Austin M, Green J, Imaizumi Tら、J Virol 2007)。また、培養アストロサイトに合成2本鎖RNAであるpolyinosinic-polycytidylic acid(poly IC)を添加すると、CCL5/RANTESの発現が誘導され、更に、RIG-Iの発現をRNA干渉法により抑制すると、このpoly ICによるCCL5/RANTESの発現が抑制されることを見い出した(Yoshida Y, Imaizumi Tら、Neurosci Res,2007)。以上から、ウイルス感染に対する初期免疫応答に、サイトカインの発現制御を介してRIG-Iが重要な役割を果たしていることが明らかになった。更に、培養皮膚表皮細胞を、炎症性サイトカインであるtumor-necrosis factor-αやinterferon-γで処理するとRIG-Iの発現が誘導されること、また、皮膚の慢性炎症性疾患である尋常性乾癬の表皮、ループス腎炎の腎糸球体、動脈硬化巣のマクロファージなどで、RIG-Iの発現が亢進していることを見いだした(Kitamura Hら、J Dermatol Sci, 2007; Suzuki Kら、Nephrol Dial Transplant, 2007; Imaizumi Tら、J Atheroscler Thromb, 2007)。以上より、RIG-Iはウイルス感染に対する防御反応に重要な役割を果たしているのみならず、ループス腎炎、尋常性乾癬などの自己免疫性疾患を含めた慢性炎症性疾患の病態にも関わっていると考えられた。
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