研究課題
RIG-Iタンパク質は、細胞質においてウイルス感染に対する初期免疫応答に重要な役割を果たしているが、その機能の解明には、RIG-1タンパク質の合成のみならず分解の調節機構を明らかにする事が重要である。脱ユビキチン化酵素CYLDが、RIG-1タンパク質のユビキチン化およびもの後のプロテアソームによる分解を抑制し(Zhang M ら :J Biol Chem, 2008)、また、RIG-1タンパク質の安定性は、シャペロンタンパク質HSP-90α(Matsumiya Tら : J Immunol, 2009)によって制御されていることが明らかになった。更に、関節リウマチ患者の滑膜組織で、RIG-1の発現が亢進していること、また、培養滑膜細胞を、炎症性サイトカインであるtumor-necrosisfactor-αやlnterferon-γで処理するとRIG-1の発現が誘導されること、そのRIG-1が下流のケモカインの発現を制御していることを見いだした(Imaizumi Tら : Clin Exp Immunol, 2008 ; Imaizumi Tら : Immunol Lett,2009)。以上より、ウイルス感染に対する防御反応に重要な役割を果たしているRIG-1タンパク質の発現調節には、その分解系や安定性の調節が重要である事や、RIG-Iは関節リウマチなどの自己免疫性疾患を含めた慢性炎症性疾患の病態にも関わっている事が明らかとなった。
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