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2005 年度 実績報告書

慢性閉塞性肺疾患の発症に関与する遺伝子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17590783
研究機関信州大学

研究代表者

花岡 正幸  信州大学, 医学部, 講師 (20334899)

研究分担者 藤本 圭作  信州大学, 医学部, 助教授 (70242691)
太田 正穂  信州大学, 医学部, 講師 (50115333)
漆畑 一寿  信州大学, 医学部附属病院, 助手 (60362125)
キーワード遺伝子 / 生理学 / 内科 / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺気腫 / TGF-β1 / 急性増悪 / 肺循環
研究概要

1、慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるtransforming growth factor β1(TGF-β1)遺伝子多型
TGF-β1は免疫反応および細胞外基質の産生に関与するサイトカインで、メタロプロテアーゼの阻害により肺の気腫化を防ぐ働きがある。インテグリンのサブユニットβ6のノックアウトマウスでは、TGF-β1活性の欠如およびマトリックスメタロプロテアーゼ12の産生増加を認め、加齢に伴う気腫化を惹起する。COPD患者(COPD群)69例においてTGF-β1遺伝子の一塩基多型(SNPs)の頻度を調査し、喫煙歴を有する健常者(コントロール群)48例と比較検討した。方法は静脈血からDNAを抽出後、rs2241712(A10807G)、rs1800469(C509T)、rs1800468(G800A)、rs1982073(T29C)、rs6957(A28344G)およびrs2241718(C29343T)の各SNPsを、TaqManプローブ法によるリアルタイムPCRを用いてタイピングした。その結果、COPD群でrs224712-GG、rs1800469-TTおよびrs1982073-CCの各遺伝子型が有意に発現しており、逆に対立遺伝子の比較ではrs224712のアリルA、rs1800469のアリルCおよびrs1982073のアリルTがコントロール群で有意に高頻度であった。さらに、rs224712、rs1800469およびrs1982073の各SNPsの遺伝子頻度はほぼ等しく、RLD>0.95の強い連鎖不平衡を示すハプロタイプであることが判明した。以上より、本邦におけるCOPDとTGF-β1遺伝子多型との関連が示唆された。
2、COPDの急性増悪時の肺循環動態
COPDはしばしば急性増悪を起こし、生命の危険に曝される。急性増悪時に肺循環動態の悪化が指摘されているが、詳細な検討はなされていない。我々はCOPD急性増悪13例に対し、入院時に右心カテーテル検査を施行した。その結果、軽度の肺高血圧と肺血管抵抗の著明な上昇を認めたが、肺動脈楔入圧と心係数は正常範囲内であった。さらに、酸素投与により肺高血圧の有意な改善を認めた。COPD急性増悪時の肺循環障害は低酸素性肺血管収縮による肺血管抵抗の増大と肺高血圧であり、酸素は肺循環動態の悪化を改善する可能性が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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