研究概要 |
common mucosal immune system (CMIS)を利用して,粘膜面に効率よく防御免疫を誘導する肺結核感染症に対する粘膜ワクチンを開発するために,結核菌由来の感染防御抗原を遺伝子導入したDCや,変異リステリア菌,改変型アデノウイルスを経鼻あるいは経気道的に投与し,そのワクチンとしての有用性を検討した.今年度は,以下のワクチンを作製した. 結核菌由来の抗原蛋白(Ag85A,Ag85B,MPB51)の遺伝子を組み込んだ以下のワクチンを作製 (1)遺伝子導入DCワクチンの作成 1.ウイルス・ベクターおよび感染レトロウイスル粒子の作成:結核菌の感染防御蛋白であるAg85A,Ag85B,MPB51のcDNA(plasmidは長崎大学歯学部から供与)をそれぞれpMXベクターに挿入する.また,コントロールとしてGFPのcDNAを挿入したpMXも作成した.各種ウイルスおよびコントロール・ベクターを,retrovirus-producer cell (Phoenix cell)にtransfectionして培養液から感染レトロウイルス粒子を回収した. 2.DCへの遺伝子導入:感染レトロウイルス粒子を,spin infection法を用いてマウス(BALB/c)骨髄由来の培養DCに感染させて遺伝子導入を行い,DCワクチンを作製した.
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