研究概要 |
common mucosal immune system(CMIS)を利用して,粘膜面に効率よく防御免疫を誘導する肺結核感染症に対する粘膜ワクチンを開発するために,結核菌由来の感染防御抗原を遺伝子導入したDCや,変異リステリア菌,改変型アデノウイルスを経鼻あるいは経気道的に投与し,そのワクチンとしての有用性を検討した.今年度は,以下のワクチンを作製した. 1.リステリア菌の細胞障害性T細胞のdominant epitope LLO91-99のペプチドを,マウス骨髄由来のDCにパルスし,LPSでmaturationをおこした後に,経気道的にBALB/cマウスに投与した. 2.1週間後に,縦隔リンパ節,脾臓を採取し,LLO91-99を添加して,eptiope特異的なIFN-gammaの産生を測定した. 3.LLO91-99を添加し,LPSでmaturationをおこしたDCを経気道的に投与したマウスでは,著しいepitope特異的IFN-gammaの産生が,縦隔リンパ節のみならず,脾臓でも確認された. 4.DCを経気道的に投与する粘膜DCワクチンは,肺局の粘膜面のみならず,全身的な強い免疫を誘導することが明らかとなった.
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