研究課題/領域番号 |
17590799
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦谷 淳一 宮崎大学, 医学部, 助手 (50347069)
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研究分担者 |
中里 雅光 宮崎大学, 医学部, 教授 (10180267)
松元 信弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70418838)
柳 重久 宮崎大学, 医学部, 医員 (60404422)
京楽 由佳 宮崎大学, 医学部, 医員 (90404425)
小玉 剛士 宮崎大学, 医学部, 医員 (80404424)
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キーワード | デフェンシン / 気道上皮 / インターロイキン-8 / 気管支肺胞洗浄液 / マイクロサンプリング / 緑膿菌 |
研究概要 |
気道は外界と直接交通していることから、常に無数の抗原に暴露されている。そのため、呼吸器系には様々な兔疫システムがある。βデフェンシンは気道上皮に存在する抗菌ペプチドで、一般細菌や真菌、抗酸菌、一部のウイルスに対して非特異的に作用し、感染防御に機能している。生体内におけるβデフェンシンの動態や抗菌作用の発現はいまだ明らかでない。そこで、培養気道上皮細胞を用いて、リポポリサッカライドによる刺激を加えて、気道上皮におけるβデフェンシンの発現・誘導を解析した。また、大腸菌や緑膿菌に対するβデフェンシンのin vitroでの抗菌作用を評価した。慢性下気道感染症の患者を対象として、気管支内視鏡を用いたマイクロサンプリング法により気道被覆液を採取し、同液中のβデフェンシンを、我々が開発した高感度ラジオイムノアッセイ法にて測定した。得られた結果から、βデフェンシンの値と病勢や炎症性サイトカインの関係について解析した。本研究から、βデフェンシンには亜型が存在するが、気道感染症においては血中と気道被覆液でその動態が異なっていることが明らかになった。また亜型により、菌の違いによる抗菌活性の違いがあることが示唆された。次いで、βデフェンシン亜型の組み合わせによる抗菌活性の変化を検討したところ、亜型の組合せによりその抗菌活性が相乗化する場合と減弱する場合があることが明らかとなった。これらの業績は欧米の雑誌に報告し、一部は発表され、一部は投稿中である。本研究における成果は今後βデフェンシンを吸入というデリバリーシステムを利用して治療に臨床応用する際の基礎データとなる先駆的なものである。引き続き気道免疫におけるβデフェンシンの分子生物学的解析を進める予定である。
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