研究課題/領域番号 |
17590802
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
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研究分担者 |
村井 一範 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70285592)
大津 浩 東北大学, 工学部, 教授 (60250742)
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キーワード | 気管支喘息 / マウス / 気道リモデリング / 粘膜線維化 / GFP / 骨髄細胞 |
研究概要 |
1.骨髄キメラマウスの作製 放射線照射後のC57BL/6に対してGFPトランスジェニックマウスの4x10^6個の骨髄細胞を静注して、GFP陽性細胞に置き換わったことを確認した。 2.喘息マウスモデルの作成 作製した骨髄キメラマウスを用いて気管支喘息のマウスモデルを作成した。感作2週間後卵白アルブミン(OVA)溶液の吸入暴露を一日おきに反復して行い、一ヶ月目まで経時的に末梢血、気管支肺胞洗浄液、肺組織を採取した。 3.骨髄キメラマウスの喘息モデルの解析 肺組織変化の評価:肺組織をホルマリン固定後パラフィン包埋し、組織標本を作製し、HE染色後、肺胞組織への細胞浸潤の程度を半定量的な組織スコアとして評価する。更に、凍結標本について蛍光顕微鏡下で上皮および気道粘膜下のGFP陽性細胞を検出し、更に抗GFP抗体によってもGFP陽性細胞を確認した。 結果:OVA暴露後1週間の骨髄キメラマウスの肺組織には、好酸球を主体としてリンパ球、単球の気道周囲、肺胞腔への浸潤が著明であった。また2週間-1ヶ月目の組織において、上記炎症細胞の浸潤に加え気道上皮基底膜の肥厚やコラーゲンの沈着が著明となった。蛍光顕微鏡下でGFP陽性細胞を確認し、多くは好酸球などの炎症細胞であったが、一部の細胞は気道上皮下に紡錘状の形態を呈し、線維芽細胞と考えられるGFP陽性細胞が確認され、抗GFP抗体によっても確認した。 結論:気管支喘息におけるアレルギー性炎症に伴う気道粘膜化の線維化に骨髄由来線維芽細胞が関与している可能性が示唆された。
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