研究課題/領域番号 |
17590817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 講師 (70272044)
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研究分担者 |
涌井 秀樹 秋田大学, 医学部, 助教授 (70240463)
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
大谷 浩 秋田大学, 医学部, 講師 (20333932)
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キーワード | 微小変化型ネフローゼ症候群 / SAGE法 / 末梢単核球 / 高発現遺伝子 / 寛解・再発 / TNFSF-10 |
研究概要 |
【目的】微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)患者の発症期と寛解期の末梢単核球の遺伝子を発現をSerial analysis gene expression (SAGE)法を用いて比較検討し、MCNSの発症に関与する新たな遺伝子の同定を目的とした。 【方法】MCNS患者の発症期(RE)と寛解期(CR)の末梢単核球を分離し、各々mRNAを抽出した。それらを用いてVelculescuらの方法によりSAGE tag libraryを作成した。Concatamerのsequence解析はABI377を使用した。シークエンスデータをSAGE解析ソフトで解析し、REおよびCRの発現遺伝子のtag出現回数を比較した。また、それらの中から、高発現している遺伝子を選択して、MCNS患者8例のREとCRの末梢単核球を用いて、遺伝子が発現の程度をreal-time PCR (RT-PCR)で検討した。また、血清中の変動もELISAで検討した。 【結果】REから10606 tag、 CRから10171 tag を作成した。発現遺伝子数は約2600認められた。それらの中で、RE期にCR期と比較して75%以上過剰発現している遺伝子は139個認められた。分泌蛋白としてはTNFSP-10、 TIMP1やIL1F10などが認められた。RT-PCRではTNFSF-10が前例で高発現していたが、血清中では変動が認められなかった。 【考察】SAGE法は、未知・既知をとわず遺伝子発現を何万単位で包括的に解析でき、MCNS関連遺伝子の解析においてもmicroarrayとは異なった優位性をもつと考えられる。現在のところ、MCNS患者REの末梢単核球でTNFSF-10 mRNAの発現亢進を見出した(Nehrol Dial Transplant 20:539-44,2005)。 今後、本研究で得られた他の過剰発現遺伝子産物の機能解析が必要である。
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