研究課題/領域番号 |
17590817
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 講師 (70272044)
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研究分担者 |
涌井 秀樹 秋田大学, 医学部, 准教授 (70240463)
伊藤 英晃 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (80168369)
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キーワード | 微小変化型ネフローゼ症候群 / SAGE法 / cDNA microarray法 / 高発現遺伝子 / chemokine ligand 13 / HSPC159 / TRAIL / SLE |
研究概要 |
Hl7年度は、SAGE法でMCNS患者の発症期(NS)の末梢単核球(PBMC)で、TRAILが高発現していることを報告した。H18年度は、MCNSの2症例で、約25000の遺伝子を比較するcDNA microarray法を用いて同様の検討を行い、NS期に1.5倍以上高発現する遺伝子を33個同定した。本年度は、それらの中で、PBMCから分泌されると予想したchemokine ligand l3 (CCLl3)とガレクチン関連蛋白質のHSPCl59について、他の多数のMCNS患者について、real-time PCR法で検討した。CCL13とHSPC159はNS期で全例発現亢進が認められた。また、健常コントロール群やネフローゼ症候群を来たす膜性腎症患者と比較し、MCNS群で発現の亢進が認められた。CCL13は喘息やアトピー性皮膚炎と関連し、HSPC159は、免疫調節やTh1/Th2バランスに関連するガレクチンファミリー属するため、それらがMCNS発症に関連すると考えられる。今後は、CCLl3とHSPCl59の機能解析が必要である。 また、TRAILは、全身性エリテマトーデス(SLE)のPBMCで発現が亢進していることや血清TRAIL濃度の上昇が報告され、SLEの病態と何らかの関連を有すると考えられている。しかし、活動性SLE患者のPBMCのTRAIL mRNA発現量と疾患活動性との関連性の報告はないため、それらの相関性について検討した。その結果、TRAIL mRNA発現量がSLE活動性スコアや免疫複合体値と正相関することが判明した。TRAILが単球などの貪食細胞の機能を抑制し免疫複合体の処理を阻害することが示唆された。
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