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2005 年度 実績報告書

尿毒症性脳障害における酸化ストレスの関与とエリスロポエチンの脳保護に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17590831
研究機関九州大学

研究代表者

鶴屋 和彦  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20372740)

研究分担者 平方 秀樹  九州大学, 大学病院, 助教授 (70181146)
徳本 正憲  九州大学, 大学病院, 助手 (80404010)
キーワード尿毒症性脳症 / エリスロポエチン / 慢性腎不全 / 酸化ストレス障害 / アクロレイン / 8-オキソグアニン / NAPDHオキシダーゼ / 一酸化窒素
研究概要

【背景・目的】近年、慢性腎不全(CRF)患者の高次脳機能障害に対する遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)の脳保護作用が報告されている。その機序については、貧血改善による間接作用に加え、エリスロポエチン(EPO)の直接的脳保護作用が指摘されているが、詳細な検討は行われておらず未だ不明である。最近、CRFラットの脳における酸化ストレス障害の増加が報告された。一方、高次脳機能の基礎過程であるシナプス可塑性の維持における一酸化窒素(NO)の重要性が注目されている。今回、CRFの脳における酸化ストレス障害とEPOの脳保護作用の機序解明を目的として以下の実験を行った。
【方法】6週齢の雄性ラットを偽手術群、5/6腎摘群(Nx群)、5/6腎摘にrHuEPOを投与した群(Nx+EPO群)に割付し、8週後の脳における酸化ストレス障害をアクロレイン(過酸化脂質のマーカー)と8オキソグアニン(酸化DNA損傷のマーカー)、NOの関与を神経性NO合成酵素(nNOS)について免疫組織染色法を用いて検討した。酸化ストレスの発生機序については、NADPH oxidase(NOX)の関与を細胞質因子p67^<phox>について免疫組織染色法、Western blot法を用いて検討した。
【結果】Nx群では、脳海馬において、アクロレインおよび8オキソグアニンの蓄積、p67^<phox>の発現亢進、nNOSの発現低下、細胞膜分画中のp67^<phox>蛋白の増加(NOXの活性化)が認められたが、偽手術群、Nx+EPO群では認められなかった。
【考察・結論】CRFでみられる脳機能障害は、脳海馬の神経細胞においてNOXを介した酸化ストレス障害およびnNOSの発現低下に関連して起こる。EPOはNOX抑制による抗酸化作用に加え、nNOS発現低下を抑制することにより脳保護作用を発揮すると考えられる。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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