研究課題/領域番号 |
17590832
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
宮園 素明 佐賀大学, 医学部, 助手 (70380780)
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研究分担者 |
平瀬 徹明 佐賀大学, 医学部, 助手 (60363446)
池田 裕次 佐賀大学, 医学部, 講師 (30244023)
安藤 高志 佐賀大学, 医学部, 助教授 (40281191)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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キーワード | 腎臓病 / 糖尿病 / CYP2J2 |
研究概要 |
P450エポキシゲナーゼCYP2J2とそれによりアラキドン酸から産生されるepoxyeicosatrienoic acid(EET)が血管拡張作用、腎組織保護作用を介して糖尿病性腎症の発症・進展を抑制するか否かを明らかにするため、糖尿病腎症モデルであるOLETFラットの腎組織にCYP2J2遺伝子導入を行い腎障害に対する抑制作用を検討することが本研究計画の目的である。 生体腎組織へのCYP2J2遺伝子導入の基礎的検討として、培養メサンジウム細胞および血管内皮細胞に対してヒトCYP2J2遺伝子をトランスフェクション法により導入した。TNF-αによる接着分子ICAM-1の発現はCYP2J2遺伝子導入により有意に抑制された。これによりCYP2J2遺伝子導入が抗炎症作用を有することが示唆される。現在炎症性サイトカインによるメサンジウム細胞からのTGF-β及びMMP/TIMP発現に対するCYP2J2導入の効果を検討中である。 次にOLETFラットに対して12週齢において両側腎に直接GFP tag付きCYP2J2遺伝子を投与した。2週間後に腎組織を摘出し、蛍光顕微鏡により腎組織及び周囲結合組織における導入遺伝子の発現を確認した。12週齢において両側腎にコントロールベクターあるいはCYP2J2遺伝子発現ベクターを導入したOLETFラット各10匹を作成し、遺伝子導入後4週までに1)血圧、体重、尿量、尿蛋白、クレアチニンクリアランスの測定、2)腎組織における腎糸球体硬化と尿細管間質への炎症細胞浸潤について病理学組織学的比較検討を現在行っている。これによりCYP2J2遺伝子導入が糖尿病性腎症の発症・進展抑制作用を有する可能性につき検討することが可能になると考えられる。
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