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2007 年度 実績報告書

敗血症に合併する腎不全に対る新しい治療法の開発:β2アドレナリン受容体補充療法

研究課題

研究課題/領域番号 17590845
研究機関帝京大学

研究代表者

中村 明夫  帝京大学, 医学部, 講師 (70266287)

キーワードβ2アドレナリン受容体 / 遺伝子治療 / 多臓器不全 / サイトカイン / 敗血症
研究概要

本研究の目的は、敗血症に合併した多臓器不全の治療方法としてアデノウイルスをベクターにした生体内遺伝子導入法によるβ2アドレナリン受容体(β2AR)補充療法の有効性を確立することである。平成19年度は腎不全進展モデル動物を対象に、臓器保護に働く作用機序の解明に取り組んだ。
β2AR補充療法の全身臓器機能への影響。:(1)腎機能(糸球体濾過率、腎血漿流量、浸透圧クレアランス、自由水クレアランス、尿中電解質)はすべて回復した。(2)循環、呼吸機能:血圧、心拍数、呼吸数、血管抵抗は変化なし。(3)消化管、肝胆膵機能:GOT,GPT,LDH,CPK,ビリルビン,アミラーゼ、血糖、Insulinは改善。(4)凝固系への作用は認めなかった。
組織病理への影響。:腎臓の組織変性、壊死、fibrin血栓、穎粒球の浸潤、単核球/マクロファージの浸潤は明らかに改善した。しかし、トロンボモジュリン、組織因子活性、E-セレクチンの発現には変化なく、血管の内皮細胞障害および内皮細胞の凝固系には作用なかった。一方、アポトーシス細胞の検出(TUNEL法)、アポトーシス関連蛋白群(Bax,Fas、Fas-L,Caspase3)は変化せずアポトーシスへの作用は示さなかった。
細胞内情報伝達系への影響:敗血症によって変動する細胞増殖、分化、アポトーシスに関連する細胞内情報伝達系へのβ2-ARからのシグナル効果を解析した。腎臓を検体とし、β2AR補充療法により回復したGタンパク質(Gsα)、アデニールシクラーゼおよびcAMP-PKA活性が、著明に増加したMAPK(p42/p44,p38,JNK)、NF-κB(p50,p52,p65),IκB、AP-1(c-fos,c-jun)を抑制した。しかしアポトーシス関連因子(Bc1-2,Bax,p53,caspases,ICE,c-myc)には作用しなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Renal effects of β_2-adrenoceptor agonist and clinical analysis in children2007

    • 著者名/発表者名
      Akio Nakamura, Akira Imaizumi, Niimi Ryo, Yukishige Yanagawa
    • 雑誌名

      Pediatric Research 61

      ページ: 129-133

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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