研究概要 |
実験1 AGEを容量依存性に軽減するprdをPD液内に混入することにより腹膜機能低下、形態変化が軽減されることを検討した。方法:以下の4群を作成1.擬手術群 2.腎不全群(5/6腎摘) 3.腎不全+仮想PD(3.86%glu30cc/2times/day挿入済みのポートから注入)施行群、4.3群の注入PD液内にPrd5mg/Lを混入。結果1.腎機能低下による腸間膜へのAGE蓄積を抑制した。血清クレアチニンとpentosidine定量相関の傾きが2群に比して3群で有意に急峻となり4群で相関が消失した。 2.D/D0glu、D/P(60)、血管数、FGF2,VEGFのRT-PCR、HE:肥厚、VEGF:血管新生の程度、TGF β:線維化、抗AGE抗体:組織:AGE沈着等が3群に比して4群で有意に改善された。 実験2 上記と同様の実験をARB(オルメサルタン)、TM2002(降圧作用の無いARB)をprydに変更して実験腎機能低下による腸間膜へのAGE蓄積抑制は、認めなかった。 AGE沈着等の差異が認められた。まとめ:PD液内にARB, TM2002を混入することで腹膜構造、への悪影響改善が示唆されていた。定量的説明が付いていない。 実験3 (1)野生型とグリオキサラーゼIトランスジェニックマウス・ラットを用いて腎不全モデルを作製し、3-6週間後のカルボニルストレスレベル(血中カルボニルストレス量、残存腎、あるいは腹膜におけるAGEs、ALEs蓄積量を評価した。 結果グリオキサラーゼIトランスジェニック・ラットでの野生型に対する有意性(VEGF, iNOS, FGF, TGFb)が染色差では認められた。 実験4 カルボニル化合物を効率よく捕捉する化合物を探索し、腹膜透析液のカルボニル化合物消去効果および蛋白修飾生成抑制効果を検討。見出したカルボニルトラップ剤をビーズに導入し、カードリッジ化したものなどカルボニル化合物トラップデバイスを作製する。 (1)エダラボンを用いて作成したbeads : pyrazolinones-polyethyleneimine, with cellulose beads(PPCB)を特定した。(2)PPCBが、以前開発のヒドララジン、アミノグアニジンbeadsに比して、PD液中のAGEのマーカーとしてのPentosidine, GO, MGO,3-DGの濃度を下げ、吸着していることを確認した。まとめPPCBは、腹膜透析液のbiocompatibilityを改善させると考えられた。
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