研究課題/領域番号 |
17590850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊藤 哲 日本大学, 医学部, 講師 (20349989)
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研究分担者 |
小松 一俊 日本大学, 医学部, 講師 (50297800)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | メタボリックシンドローム / 吻側延髄腹外側野 / 交感神経活動 / インスリン抵抗性 / 食塩感受性 / 興奮性アミノ酸 / 高血圧 / KAT-1遺伝子 |
研究概要 |
本態性高血圧自然発症ラット(SHR)の吻側延髄腹外側野(RVLM)へのkynurenine aminotransferase-1(KAT-1)遺伝子の導入により、交感神経活動亢進は抑制され、血圧低下とインスリン抵抗性の改善傾向を認めた。以上よりメタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性と高血圧の発症機序に、RVLMにおけるKAT-1遺伝子のミスセンス変異を介する交感神経活動の亢進が、関与している可能性が示唆された。 一方、正常血圧コントロールであるウイスターキョウトラット(WKY)のRVLMへのKAT-1遺伝子アンチセンスの導入は、RVLMに限局してKAT-1活性の低下を認めた。しかしながら交感神経活動は、有意な変化を認めず血圧、心拍数には変化を生じなかった。一方、高塩食群においては、KAT-1antisense群にて有意な交感神経活動の増加に伴い血圧、心拍数の上昇を認めた。以上より、RVLMにおけるKAT-1活性の低下と、食塩負荷の組み合わせは、RVLMにおける興奮性アミノ酸入力の不均衡をもたらし、交感神経活動を亢進させ食塩感受性高血圧を引き起こす事が示唆された。一方で、RVLMに局在したKAT-1活性の低下のみでは、交感神経活動の亢進は認められなかった。食塩負荷は、視床下部室傍核よりRVLMを介する興奮性交感神経作動性入力を亢進させる作用を有しており、上位中枢よりの刺激の亢進とRVLMにおけるKAT-1活性の低下による興奮性アミノ酸入力の不均衡が交感神経活動亢進を来した事が予想される。このことからも、食塩感受性と中枢特にRVLMにおけるKAT-1活性の低下による興奮性アミノ酸入力の不均衡が密接に関係し、食塩負荷による交感神経活動亢進を起こしさらにインスリン抵抗性を惹起する事の可能性が示唆された。 以上よりRVLMにおけるKAT-1遺伝子のミスセンス変異は、中枢における興奮性アミノ酸入力の不均衡を介し交感神経活動の亢進を惹起し、メタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性と高血圧の発症さらに食塩感受性の獲得に関与する事が示唆された。
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