研究課題
1)ROS/NO均衡変化を動的に検出、解析するための基盤技術の確立ROS、 NOの実体を蛍光指示薬と通常型共焦点レーザー顕微鏡を用いて組織において直接可視化し検出する方法「in vivo可視化法」を確立した。さらに新規導入した2光子励起方式共焦点レーザー走査型顕微鏡(two-photon laser scanning fluorescence microscope)によって生体腎臓において、腎微小血管系(糸球体、間質毛細血管)の血流動態及び糸球体濾過の状態を各種分子量の蛍光標識Probeを用いて可視化しうる系を構築した。2)疾患腎でのROS/NO不均衡の解析と病態形成における役割の解明上記方法を駆使して、ラット糖尿病の腎微小血管系におけるROS/NOの均衡変化を空間的、動的に解析した。同時に腎組織において生じる細胞内情報伝達系の活性化、遺伝子発現変化、転写因子活性化の動態を解析した。糖尿病腎糸球体においては酸化ストレス亢進と鏡像的なNOの減少を認めた。同時に腎糸球体における核酸、脂質、蛋白の酸化的産物の蓄積を認めた。レドックス感受性転写因子であるNF-kB活性化を認めた。酸化ストレス亢進にはNADPH oxidase活性化とNOS uncouplingが関与していた。さらに補酵素BH4の補給により、NOS uncouplingの改善とROS/NO不均衡の改善を認めた。3)疾患腎における腎微小循環の血流変化の解析2光子レーザー顕微鏡とを用い、糖尿病腎の腎微小循環系の血流変化を解析した。デキストラン(分子量40万、4万、3000)を各種蛍光色素(FITC,テキサスレッド等)で標識し、腎微小循環および濾過状態を可視化することに成功した。ラットSTZ糖尿病腎では、in vivo生体腎において輸入細動脈拡張、血流量増加、糸球体肥大を認めた。さらに糸球体過剰濾過を反映するmaclomoleculeの透過性亢進状態を認めた。
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