研究課題/領域番号 |
17590856
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
早狩 誠 弘前大学, 医学部附属病院, 教授 (80156421)
|
研究分担者 |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10281916)
上野 伸哉 弘前大学, 医学部, 教授 (00312158)
若林 孝一 弘前大学, 医学部, 教授 (50240768)
朱 剛 弘前大学, 医学部, 助手 (80400133)
|
キーワード | 家族性夜間前頭葉てんかん / てんかん責任遺伝子導入ラット / ニコチン性アセチルコリン受容体 / 睡眠 / 284L α4β2-nAChR / 感覚運動皮質 |
研究概要 |
てんかんは人口の約1%が罹患する最も頻度の高い神経疾患であるが、その病態は十分明らかにされていない。しかし、最近の分子遺伝学の進歩に伴い、特発性てんかんの責任遺伝子が同定されつつある。なかでも常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)は責任遺伝子が同定された最初の特発性てんかんで、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)α4およびβ2サブユニットをコードする遺伝子の点変異が報告されている。ADNFLEでは発作は睡眠中(第2・3相)に認められ、約90%の患者は20歳までに発症する。しかし、前頭葉に焦点が生じるメカニズムは不明である。 そこで、申請者らは、ヒトnAChRα4サブユニット変異遺伝子を導入したラットを開発した。本研究では、ADNFLE遺伝子導入ラットを用い、睡眠一覚醒リズムと神経伝達物質動態の関連、nAChRα4サブユニット変異神経細胞の脳内分布、本ラットの前頭葉で発現が亢進または低下しているmRNAおよびタンパク質を明らかにし、ADNFLEの焦点が前頭葉に発生するメカニズムを解明することを目的とした。その結果、このADNFLE遺伝子導入ラットには、繁殖能、寿命、発達、nAChRα4ならびにβ2サブユニットの脳内分布に関して明らかな異常を認めることはできなかったが、ヒトADNFLEと同様の睡眠中の前頭葉を焦点とした自発性けいれんが認められることを明らかにした。
|