研究課題
前年度に引き続き、Mouse Thyl promoterを上流に有しGSK-3βcDNAを発現させたTgマウスを作製・解析を行った。PCR/northern blotにおいて遺伝子発現を確認後、Western blotにて蛋白発現を認めた。各種GSK-3β抗体を用い免疫細胞化学的検討を行い、大脳皮質・扁桃体・海馬および脳幹・脊髄にGSK-3βの発現を認めた。ELISAにて変異タウ(P301L)とGSK-3βのダブルTgマウス脳において、タウ単独Tgマウスに比べ、Ser199ヒト・リン酸化タウ、Thr396ヒト・リン酸化タウの増加を認めた(8週齢マウス、12週齢マウス)。ヒト特異的GSK-3β抗体を用い免疫細胞化学的検討を行い、中枢神経組織・細胞におけるGSK-3βの発現局在がより明確となり、前頭・側頭・頭頂の広範な大脳皮質領域、扁桃体・海馬に分布が認められた。変異タウ/GSK-3βのダブルTgマウス脳においてELISAにてSer199リン酸化タウ、Thr396リン酸化タウ、更にSer212リン酸化タウの増加を認めた。PSI(L286V)/CRND8ダブルTgマウス脳において1カ月齢から老人斑の出現を観察し、また老人斑においてSer199リン酸化タウ、Ser396リン酸化タウ、Ser212リン酸化タウの免疫染色陽性構造物を認めた。これらの所見から変異PS1はAβ42の産生においてγセクレターゼの機能を示すと共に、リン酸化タウ構造物形成にも何らかの役割を果たす可能性が見い出された。
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J Neurol Neurosurg Psychiatry Jan 8;[Epub ahead of print]
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