研究概要 |
平成17年度では,United Kingdom Brain Bankの診断基準にてprobableパーキンソン病と診断され患者パーキンソン病患者10例,McKeithらのDLB診断基準(Neurology 1996;47:1113)にてprobable DLBと診断されたレヴィ小体型痴呆10例,健常者10名において臨床神経学的評価(問診,神経学的診察,精神症状),認知機能検査,自律神経検査,MRI検査,SPECT検査,PET検査(アセチルコリンエステラーゼ活性の評価)を施行する予定であったが,研究開始時期が遅れたためパーキンソン病患者5例,レヴィ小体型痴呆4例,健常者4名と計画された症例数より少ない症例において上記評価を行った. パーキンソン病とレヴィ小体型痴呆では,PETで評価された皮質のアセチルコリンエステラーゼ活性が低値であり,特にレヴィ小体型痴呆でこの低下が顕著である傾向がみられた.この結果はレヴィ小体ではマイネルト基底核から皮質に投射するコリン作動線維が障害されており,このコリン作動線維の障害が認知機能障害と関与している可能性を示していると思われる.現在のところ,評価症例数が少ないため詳細なデータ解析は未施行であり,群間比較,臨床所見や認知機能とアセチルコリンエステラーゼ活性との関連などの統計学的検討は未施行である. 平成18年度は予定より症例を増やし,パーキンソン病患者15例,レヴィ小体型痴呆16例,健常者16名で評価を行う予定である.
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