研究課題
本研究では本年度は、高頻度深部脳刺激療法の治療が適応となったパーキンソン病やジストニアなど不随意運動を呈する運動障害疾患を対象に、基底核の機能的なマッピングの作成を試みた。その中でも特に、実際に電極を挿入された位置と視床下核および視床周囲の感覚路との関係の解明と、使用する電極の位置の細かな違いと臨床的な治療効果との対応の検討を重点的に行った。そのためのひとつの方法としてDBSに用いる電極の4つの設置電極から上肢感覚刺激によって基底核部で誘発される感覚誘発電位を記録した。脳幹に病変がある疾患の場合に、その基底核部からの感覚誘発電位がどのように変化するかについて詳細に検討し、国内外の学会および科学雑誌に報告した。今後もひきつづきデーターを集める予定である。また、来年度にむけて、DBSの運動以外の系におよぼす効果を検討するために、視床下核に挿入したDBSの高頻度刺激が眼球運動に及ぼす変化や、DBS中の脳内の血流の変化をPETで捉える試みも開始している。また、DBS中の変化を捉えるために、大脳運動野の興奮性の指標として従来から報告されている磁気刺激の運動閾値や、大脳二発刺激法の短潜時抑制機構などに及ぼす変化を使うだけではなく、よりよく興奮性の変化を捉えられる指標の開発にも取り組んでいる。たとえば、低頻度の連発刺激によって左右の運動野の連絡がどのように変化するか、磁気刺激によって近赤外線で計測される血流はどのように変化するかについて、まず正常者で検討を行って論文および学会に発表した。今後は、同方法を用いてDBSを行った不随意運動患者での変化を検討に適応する予定である。
すべて 2006 2005
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