研究課題
昨年度の、1)神経系組織ごとのプロテオームマップの作成、2)分子シャペロン誘導剤によるALSモデルマウスへの効果、神経組織プロテオームの変動の検討、3)培養細胞における変異SOD1との結合蛋白の検索、その結果を基にした結合蛋白のALSの病態との関連や治療ターゲットとしての可能性の探求に関する研究、4)酸化ストレスの関与の検討などに引き続き、今年度は5)ALSトランスジェニックマウスモデルにおける分子シャベロン誘導剤の効果:平成18年度も本実験を継続し、in vivo ALSモデルマウスでの分子シャペロン誘導剤による神経保護効果について検証を行ったが、有意な効果を示す薬剤を見出せなかった。6)培養細胞における変異SOD1との結合蛋白の検索、その結果を基にした結合蛋白のALSの病態との関連や治療ターゲヅトとしての可能性の探求に関する研究:申請者らは、Mouse neuroblastoma cell lineのNeuro2Aにおいて免疫沈降法と質量分析を用いた方法により野生型SOD1とは結合せず変異SOD1とのみ結合する蛋白として、これまでに報告のあるHeat shock cognate protein70と、新たにHeat shock protein 105(HSP105)を同定した。これらを培養細胞に強制発現することで神経保護作用の有無などを検討し、治療への可能性を示した。この結果をJ Neurochem.に発表した。7)得られた仮説に基づいたさらなる治療モデルの検討:上記の研究により、HSP105を発現させることがALSの治療に結びつく可能性について培養細胞での検討を行った。
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Journal of Neurochemistry Mar 30[Epub ahead of print]