研究課題
基盤研究(C)
1)神経系組織ごとのプロテオームマップの作成:現在のALS研究の標準的な動物モデルとなっている変異SOD1遺伝子(G93A)導入トランスジェニック・マウス(Gurney et al.Science 1994)を用いて、脊髄、大脳皮質などの神経系各部のプロテオーム解析を行った。また、界面活性剤での可溶性画分・および不溶性画分におけるプロテオームでの変化を検討している。2)分子シャペロン誘導剤によるALSモデルマウスへの効果、神経組織プロテオームの変動の検討:上記ALSモデルマウスを分子シャペロン誘導剤投与群または偽薬投与群にランダムに割り付け、それぞれを投与し、症状の経過を観察した。分子シャペロン誘導剤投与群でALSの発症抑制効果、もしくは進行抑制効果、寿命の延長が得られるかどうかを検討したが、現時点で投与された薬剤にたいしては有意な寿命の抑制効果は認められていない。3)培養細胞における変異SOD1との結合蛋白の検索、その結果を基にした結合蛋白のALSの病態との関連や治療ターゲットとしての可能性の探求に関する研究:Neuro2Aにおいて免疫沈降法と質量分析を用いた方法により野生型SOD1とは結合せず変異SOD1とのみ結合する蛋白として、これまでに報告のあるHeat shock cognate protein 70と、新たにHeat shock protein 105(HSP105)を同定した。これらを培養細胞に強制発現することで神経保護作用の有無などを検討し、治療への可能性を示した。この結果をJ Neurochem.に発表した。4)得られた仮説に基づいたさらなる治療モデルの検討:上記の研究により、HSP105を発現させることがALSの治療に結びつく可能性について培養細胞での検討を行った。
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Journal of Neurochemistry Mar 30 [Epub ahead of print]
J Neurochem. (Epub ahead of print)