研究課題
我々は多因子遺伝疾患である孤発性パーキンソン病(PD)感受性遺伝子を明らかにするために、候補遺伝子アプローチを行った。一次スクリーニングとして患者・対照各190人を対象に、多数のSNPs(一塩基多型)を関連解析してp<0.05のSNPを選出した。二次スクリーニングとして、これらのSNPsを患者882人対照938人に増やして関連解析し、有意なSNPについて周辺の連鎖不平衡解析を行うという手法をとった。前年度は121個の候補遺伝子上の計268個のSNPsの解析から、α-synuclein(SNCA)遺伝子のintron 4上に存在するSNP0070にp=5.OxlO^<-10>という極めて強い関連を見出した。そして、周辺の連鎖不平衡解析、Real-time RT-PCR法によるSNCA遺伝子発現レベルの遺伝子型ごとの違いについて発表した。今年度はSNCA以外の感受性SNPを探すために、さらに17個の候補遺伝子上の計34個のSNPsを選出して追加スクリーニングを行った。一次スクリーニングでp<0.05のSNPsが5個得られた。二次スクリーニングではうち4SNPsがp<0.01であった。再現性を確かめるために、さらに別の検体(患者521人、対照1003人)を収集して関連解析を行った。別のアプローチとして、すでに他の人種で関連が報告されている遺伝子多型について、我々の日本人検体(総数:患者1388人、対照1891人)で再現性を調べた。その結果、白人の連鎖解析で報告されていたFGF20について、日本人での再現性を確認することができた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Clinical Neuroscience 25巻1号
ページ: 72-73
NeuroReport (In press)
Human Molecular Genetics Vol. 15, No. 7
ページ: 1151-1158
PD Today 15巻8号
ページ: 17