研究課題/領域番号 |
17590881
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三野原 元澄 九州大学, 大学院医学研究院, 共同研究員 (70398113)
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研究分担者 |
村井 弘之 九州大学, 大学病院, 助手 (80325464)
小副川 学 九州大学, 大学院医学研究院, 助手
吉良 潤一 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (40183305)
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キーワード | 多発性硬化症 / 視神経脊髄型MS / HLAクラスII / LESCL |
研究概要 |
HLA-DRB1、-DPB1遺伝子解析 我々はこれまでに、日本人多発性硬化症(MS)の疾患感受性遺伝子の検討を行い、通常型MS(CMS)では、コーカシア系白人と同様にHLA-DRB1^*1501アリルに、視神経脊髄型MS(OSMS)ではHLA-DPB1^*0501アリルに疾患感受性を示すことを報告している。昨年度は中国やブラジル人におけるMSやNeuromyelitis optica(NMO)でのHLAの解析を行った。本年度は、日本人MSでのHLA-DRB1、-DPB1多型と臨床病型、MRI所見との関連を検討した。OSMS患者56名、CMS患者65名を対象とした。HLA-DRB1^*0901アリルは健常者に比べMS群で有意に低率であった(健常者30.1%、MS群8.3%)。CMSではHLA-DRB1^*1501アリルが高い傾向にあった。3椎体以上の長い脊髄病巣(LESCL)やBarkhof脳病巣を伴わない最もMRI病巣の少ない群では、HLA-DRB1^*0405が有意に高率であった。LESCLを有するOSMSでは、HLA-DPB1^*0501アリル頻度と正の相関が認められ、このタイプでは発症年齢が高く、再発回数が多く、髄液細胞数増多と正の相関が認められた。これまでの私どもの検討では、臨床症候より分類した日本人MSでのHLA多型との関連について報告してきたが、今回、MRIでの病巣の特徴とHLA多型との間にも関連があることが示された。MRI病巣の最も少ないものではHLA-DRB1^*0405アリルと相関し、OSMSの疾患感受性遺伝子として報告してきたHLA-DPB1^*0501アリルは、軽症なOSMSではなく重症化するOSMSの感受性遺伝子であることが示唆された。このように、日本人MSにおいては、臨床症候のみでなくMRI上の特徴と関連するHLAクラスII多型を有する亜群が存在すると考えられた。
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