研究課題
ALSは随意運動神経系の進行性神経変性疾患でその発症機構は明らかではなく根治療法もない。ADNFがSOD1変異体が誘導する神経細胞死を抑制し、G93A-SOD1Tgマウス(ALSマウス)の脳室内投与により運動機能を増加させる事を報告した。また、特殊なHN誘導体を分子内に含むADNF誘導体コリベリンを考案し、予備実験より運動機能及び延命効果に優れた効果が得られることを見出していたが、本研究では予定通りALSマウスの匹数を増やし本実験を実施し、同時にコリベリンのin vitro実験を加えた。1.G93R、G85R、及びA4T-SOD導入神経細胞株NSC34によるADNF及びコリベリンの細胞死拮抗作用の解析3種のALS原因遺伝子G93R-、G85R-、A4T-SOD1を運動神経株NSC34に導入し、導入によって起こる細胞死に対し、コリベリンが抑制できるか否かをトリパンブルー排除法アッセイあるいは、MTT法の改良法であるWST-8法により検出した。その結果、コリベリンもADNFと同等の、fMレベルでの細胞死拮抗作用があることが判明した。2.G93A-SOD1トランスジェニックマウスへのADNF或いはコリベリン脳室内注入による解析G93A-SOD1発現マウスを用いた実験法は、マウスの左脳室にカニューラを設置し脳室内投与を2日に1度継続的に実施し、運動機能の定量的解析をローターロッドにより検討した。ADNFに加えて、コリベリンの効果を調べた。ADNFは以前の結果より、ALSマウスの運動機能の低下に対して抑制効果があるが、延命効果を示さなかったのに対し、コリベリンはさらに延命効果も示す事が明らかになった。現在HN誘導体をADNFにつけることにより延命効果が現れる事のメカニズムを探索中である。
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Current Neuropharmacology (印刷中)