研究課題
筋の持続収縮、弛緩障害を示すミオトニア症状は本来筋原性の病態を称し筋緊張性ジストロフィーなどで特徴的な症状とされる。しかし、Isaacs症候群等で、筋に異常がなくても神経筋接合部(NMJ)における神経終末の電位依存性Kチャネルの異常などにより類似の病態が出現することが解り、神経性ミオトニアと定義される。さらに,神経性と筋原性ミオトニアの両方の性質を併せ持ち、独立した位置づけをされていた遺伝性ミオトニア疾患Schwartz-Jampel症候群(SJS)の原因遺伝子が基底膜蛋白質パールカンであることが解ったが、これらのミオトニアに対する薬物治療法はまだ確立していない。これらのミオトニア症状は病因的にヘテロであり、充分な電気生理学的検討に基づいた治療法の確立が急務と考えられる。我々はSJSにおける筋収縮異常の病態を解明するため開発されたSJSモデルマウスを使って、電気生理学的、筋病理学的特徴を検討し既存の薬剤を使った薬理学的検討を行うことにした。これまで、SJSモデルマウスはホモ接合体として系統維持されてきたため同腹のコントロールを得ることが出来ず、C57BL6マウスをコントロールとして検討してきた。薬理学的検討を行うため、今年度はパールカンノックアウトマウスヘテロ接合体を掛け合わせ、同腹のコントロールを得た。眼輪筋の収縮、眼列狭小化は生後4週頃より顕著になることが解った。生後2週、4週、8週、3ヶ月において、筋ジストロフィー様の変化は2週頃より明らかになるが、8週以降1年までのマウスで結合組織の増加等による筋再生の障害は目立たないことが解った。18年度にはDPH, CBZ等を使用することにより、筋ジストロフィー様変化が予防できるかを経時的に検討する。
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