研究課題
我々は、NODの骨髄由来(BM)樹状細胞(DC)遺伝子発現プロファイルをNONと比較し、NODDCでCD204発現が増強している事を見いだした。ヒトではCD204分子を介し生細胞から細胞膜を囓りとり(nibbling)自己成分を抗原提示することが知られている。本年は、NODのCD204+DCのフェノタイプと機能を明らかにすることを目的とした。マウス骨髄細胞をGM-CSFとIL-4の存在下で培養し、磁気ビーズを用いてCD11c+DCを得た。Flow cytometryによりCD204+DCのタイピングを行った。CD204+及びCD204-DCをソートし、同系CD4陽性T細胞刺激能を比較した。細胞膜を染色するDiO、DiDで細胞膜交換を観察することによりnibbling能を評価した。NODマウスBMDCは正常系統と比較して、約5倍のCD204発現強度を呈した。6週齢雌性マウス脾細胞におけるCD204+DCはNOD 0.65±0.09%、NON 0.10±0.02%、C3H/HeN 0.10±0.02%、Balb/c 0.04±0.03%とNODで有意に高い比率(p<0.05、Mann-Whitney U test)を呈した。CD204+DCのフェノタイプはCD4^<low>CD8CD11b^<low>CD11c^<low>CD19^<low>CD80^<high>CD86^<high>MHCclassI^+classII^+であった。CD204^+DCはCD204^-DCと同等のSMLRを呈した。DioとDiDで染色したBMDCを未染色画分と共培養すると、NODにおいて盛んにDC間のnibblingが行われていることが示唆された。NODマウスにユニークなCD204^+DCがnibbling現象を介して「自己成分が抗原提示されやすい形質」の担い手となり、ひいては自己免疫疾患感受性につながる可能性が示唆された。
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