研究課題
基盤研究(C)
A.NODマウスへのピオグリタゾン投与による糖尿病発症機序の解析T1Dのモデル動物であるNODマウスでは、膵島炎が始まる4週齢あるいは既に膵島炎を認め10週齢からのピオグリタゾンの経口投与によりともにT1D発症を抑制することを見出した。その機序として、免疫調節性細胞活性を活性化することなく、エフェクター活性を低下させることを確認した。また、フローサイトメトリー解析にて、CD25^+CD4^+細胞の増加は認めなかったが、NKT細胞分画の増加が示唆された。ピオグリタゾン投与群の脾細胞を解析したところ、CD11c陽性樹状細胞の表面マーカーの検討にてCD80の発現増強が認められたこと、NKT細胞分画についてCD1dの発現の増加が見られた。ピオグリタゾン投与により活性化された樹状細胞がNKT細胞を刺激し、自己免疫反応を抑制することで1型糖尿病発症抑制に働く可能性が強く示唆された。樹状細胞を質的に変化させることにより1型糖尿病発症抑制の可能性を明らかにすることができた。B.ヒト急性1型糖尿病へのピオグルタゾン投与による膵・細胞破壊阻止の研究ヒト1型糖尿病における残存膵・細胞機能を評価するため、ピオグリタゾン投与を3例の急性発症1型糖尿病患者にインスリン治療に加えて行った。約2年間の経過観察結果では、ピオグリタゾン内服では顕著な血糖改善効果も認められず、内因性インスリン分泌の低下も進行していた。さらには、23ヶ月間のピオグルタゾン内服NIDDM患者から、緩徐進行型1型糖尿病発症患者を見出した。少なくとも通常量のピオグルタゾン投与では膵β細胞破壊を阻止することは困難であることが判明した。
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Kobe J. Med. Sci. (印刷中)(In press)
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ページ: S155-160
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