研究課題/領域番号 |
17590935
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
奥屋 茂 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20214083)
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研究分担者 |
松原 淳 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40311815)
鶴 政俊 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20379960)
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キーワード | GLUT4 / トランスロケーション / リサイクリング / アダプター蛋白 / アンキリン構造 / 糖取り込み / インスリン / 脂肪細胞 |
研究概要 |
GLUT4のリサイクリングやインスリン依存性トランスロケーションの制御に、GLUT4結合蛋白が重要な役割をはたすと想定されている。この蛋白を同定する目的で、GLUT4をbaitにtwo-hybrid法により脂肪細胞cDNAライブラリーのスクリーニングを行った結果、蛋白-蛋白結合に関与するとされる"アンキリン(ANK)構造"を有し、複数のリン酸化想定部位を持つ興味深い新規蛋白p61のクローニングに成功した。さらに脂肪細胞に過剰発現させるとインスリン依存性糖取り込みを促進させる結果を得た。そこで、p61の機能解析をさらに進めることとした。 1.特異的抗体作製:ウサギ免疫で抗血清を作製後精製し、同抗体が強制発現p61を認識することを確認した。内在性p61を認識するか否かを現在検討中である。 2.p61とGLUT4・GLUT1との結合:全長及び種々変異体を作製後、two-hybrid法を施行した。GLUT4 N端欠失変異体とは結合せず、p61はGLUT4 N端と結合すると考えられた。一方、GLUT1との結合は認められなかった。同様に、GLUT4と種々p61変異体との結合を解析中である。 3.p61の糖輸送活性への影響:3T3-L1脂肪細胞に、アデノウイルスベクターでp61を過剰発現後、インスリン存在・非存在下で細胞分画化を施行した。過剰発現脂肪細胞においては、コントロール細胞に比較してインスリン依存性GLUT4トランスロケーションが促進された。一方、GLUT1,GLUT4蛋白発現量自体には変化は認められなかった。したがって、p61はGLUT4のトランスロケーションに影響することで、糖取り込みに関与する可能性が示唆された。 さらに、過剰発現で得られた現象の"裏実験"を実施する目的で、short hairpin RNAを用いてp61をノックダウンした3T3-L1脂肪細胞作製を試みている。
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