研究課題/領域番号 |
17590937
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
石田 俊彦 香川大学, 医学部, 教授 (50159737)
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研究分担者 |
徳光 浩 香川大学, 医学部, 助教授 (20237077)
村尾 孝児 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20291982)
大西 宏明 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (90223891)
井町 仁美 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (80380187)
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キーワード | インスリン / 糖尿病 / グルコース / PREB / 転写調節 |
研究概要 |
糖尿病の病因はインスリンの作用不足であり、進行した病態では膵β細胞からのインスリン合成/分泌不全が生じる。我々は現在までに膵β細胞におけるインスリン遺伝子転写機構について検討してきた。インスリン遺伝子転写の生理的刺激は血中糖濃度の変化であり、インスリン遺伝子プロモーター内にグルコース応答領域が数力所存在する。現在までにグルコース応答領域に結合する転写因子がいくつか報告されている。我々は新規転写因子PREB(prolactin regulatory element binding)の膵臓における役割について検討した。PREBが膵臓に強く発現されていたので、膵β細胞での発現および細胞内分布について検討した。PREBは膵β細胞に発現されており、インスリン発現細胞に共存していた。またPREBがインスリン遺伝子転写を促進することをみいだした。インスリンの生理的刺激であるglucose刺激によってPREBが核内に移行し、インスリン遺伝子プロモーター内のglucose-response element (A3)に結合することが明らかになった。PREB強制発現細胞においては、インスリン分泌能が数倍に上昇し、逆にPREB knock-down細胞においては、グルコース刺激に対するインスリン分泌が低下していた(Diabetologia, in press)。さらにPREBのknock out mouseの作成を行い、糖代謝にあたえるPREBの影響について検討を重ねている。今後は、これらに知見をもとに新たな再生膵β細胞を樹立する予定である。一方、臨床的には、MODYが疑われる患者において、PREB遺伝子の変異について検討する。
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