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2006 年度 実績報告書

遺伝子アブレーションと分子介入による膵島傷害の抑制と再生の促進

研究課題

研究課題/領域番号 17590948
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

佐々木 敬  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (90205849)

研究分担者 根本 昌実  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10281396)
藤本 啓  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40372974)
キーワード糖尿病 / インスリン / 遺伝子治療 / サイクリン / 増殖 / 細胞周期 / ベータ細胞 / 膵臓
研究概要

AAVベクターに組み込んだCDK4のR24C変異体(CDK4_R24C)あるいはGFPのみ(Mock)を膵島で発現させ、膵島細胞再生につき観察した。治療実験には新生時期に75mg/kgの少量STZを投与したBalb/cマウス(nSTZ mice)を用い、STZ処理10週後に遺伝子導入処置を行った。この処置としては、AAVベクターにて発現させる遺伝子をCDK4_R24CとしてnSTZマウスの膵臓へ開腹直視下でウイルス液を注入した。遺伝子注入後は通常の食餌で飼育し治療後8週と12週にIPGTTを行うことでブドウ糖応答性インスリン分泌能(GSIS)を調べた。GFPの発現性で観察すると膵島への遺伝子導入率は約30%に達し、膵島への効率的な遺伝子導入法として膵への直接注入法の有効性が実証された。また病理標本を膵島面積で比較すると、Mockに比しCDK4_R24C群で有意にislet areaが大きかった。
遺伝子導入後8週のブドウ糖負荷ではCDK4_R24C群で血糖曲線が低かったが、CDK4_R24C発現マウスの30分後血中インスリン値はCDK4_R24C群Mean±SDは801±203pg/ml、Mock450+134とp<0.05で有意にCDK4_R24C群が高かった。インスリン分泌亢進、血糖曲線の改善、ならびに膵島面積の増大は同時に認められ、膵島細胞増殖によるブドウ糖応答性インスリン分泌の改善が耐糖能障害の改善の原因であると考えられた。
現在、遺伝子導入8週後、および12週後のマウスの膵臓の切片を作製し、増殖マーカーとしてBrdU染色性、CyclinD_CDK4 complexの活性を調べるため、Rb蛋白のリン酸化の度合いをリン酸化特異抗体を用いて調べている。これらによって膵島の増殖性の亢進をもたらす膵内分泌再生法の確立を目指しているところである。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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