研究課題/領域番号 |
17590952
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研究機関 | 独立行政法人国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
岩部 美紀 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 応用栄養学研究部, 研修生 (70392529)
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研究分担者 |
窪田 哲也 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 応用栄養学研究部, 任期付研究員
窪田 直人 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 応用栄養学研究部, 協力研究員
門脇 孝 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 応用栄養学研究部, 部長 (30185889)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / 血管内皮細胞特異的IRS-2欠損マウス / インスリンシグナル / 骨髄細胞・マクロファージ |
研究概要 |
我々はこれまでに2種類のインスリン抵抗性モデル動物、インスリ受容体基質(IRS)-1欠損マウス、IRS-2欠損マウスのいずれにおいても動脈硬化が促進されるが、同程度のインスリン抵抗性、メタボリックシンドロームにもかかわらず、IRS-2欠損マウスの方がその程度が大きいことを報告した。このメカニズムの1つとして血管内皮細胞では主にIRS-2蛋白が発現しており、この内皮細胞におけるIRS-2が動脈硬化抑制に作用している可能性が示唆された。そこで我々は、IRS-2の血管内皮細胞における役割を解明するために、IRS-2遺伝子をloxPではさんだIRS-2flox/floxマウスと血管内皮特異的に発現しているTie2Creマウスの交配により、血管内皮特異的IRS-2欠損マウスを樹立した。このマウスは、メンデルの法則にしたがって生まれ、体重は野生型マウスと同程度であった。また、IRS-2欠損マウスで認められた脂質代謝異常(高脂血症、高コレステロール血症、高遊離脂肪酸血症)は認められなかった。しかし驚くべきことに、このマウスではインスリン抵抗性と耐糖能異常が認められた。インスリン抵抗性の責任臓器を明らかにするために、グルコースクランプを施行したところ、骨格筋のインスリン抵抗性を認め、実際、グルコースクランプ後の骨格筋におけるAktのリン酸化が有意に低下していた。次に血管病変に注目し解析したところ、インスリン刺激後の血管弛緩反応が低下しており、血管内皮機能の低下と高血圧が認められた。今後、カフ傷害モデルによる内膜肥厚について検討し、動脈硬化における血管内皮細胞IRS-2の役割を明らかにする予定である。また、本年度、血管内皮細胞におけるIRS-2の役割をin vitroにおいても検討するために、マウス血管内皮細胞の単離培養系を確立した。今後この系を利用してインスリン刺激に対するPI3キナーゼ、Akt、MAPキナーゼの活性を検討し、血管内皮細胞のインスリンシグナルに果たすIRS-2の役割を解明する予定である。
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