研究概要 |
野生型マウスおよびTRHノックアウトマウス(TRHKO)の小脳よりmRNAを抽出し、subtractive hybridizationならびにcDNA microarray法を用いて、TRHKOで発現が低下している遺伝子群を同定した。ESTあるいはゲノムプロジェクトの情報から、cDNAの全長を検索し絶食にした野生型マウスにおいてその発現量に変化があるcDNAを抽出し、数百のTRH依存性クローンの中からmDP1が得られた。mDP1 mRNAは、野生型マウスの特に大脳皮質、小脳、視床下部で強く発現していた。本年度は、以下のような研究を実施した。 1,mDP1 mRNAの臓器ならびに各種細胞、胎生期における発現の検討 mDP1に対する特異的なcRNAプローブを用いてノーザン解析を行った。その結果mDP1 mRNAは、全身の臓器において発現しているが、特に心臓、大脳、腎臓で強く発現し、Alternative splicingと思われる3.7kbと0.8kbのバンドが検出された。また、細胞株では、ヒト小脳髄芽腫由来のHTB-185、マウス神経腫由来NB41A3、ヒト腎臓由来293細胞で発現が認められ、特にHTB-185細胞株で発現が強かった。また、胎生初期からその発現を認めるものの、次第にその発現は増強することが明らかとなった。 2,mDP1ノックアウトマウスの作製 昨年度までに完成していたmDP1ノックアウトマウスのヘテロ接合体同士を交配させmDP1ノックアウトマウス作製した。野生型、ヘテロ接合体、ホモ接合体で相同遺伝子組み換えが予想通り起こっているか、サザーン解析にて検討し、ホモ接合体では、正常のアリルが完全に欠損していることを確認した。
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