研究概要 |
野生型マウスおよびTRHノックアウトマウス(TRHKO)の小脳よりmRNAを抽出し,subtractive hybridizationならびにcDNA microarray法を用いて,TRHKOで発現が低下している遺伝子群を同定した。ESTあるいはゲノムプロジェクトの情報から,cDNAの全長を検索し絶食にした野生型マウスにおいてその発現量に変化があるcDNAを抽出し,数百のTRH依存性クローンの中からmDP1が得られた。mDP1 mRNAは,野生型マウスの特に大脳皮質,小脳,視床下部で強く発現していた。本年度は,以下のような研究を実施した。 1,mDP1ノックアウトマウスにおけるmDP1蛋自質の欠損の確認 mDP1を家兎に免疫し特異的な抗体を作製し,Western blot法にて視床下部におけるmDP1蛋白質を検出した。その結果,野生型に対して約50%のmDP1がヘテロ接合体において確認され,ホモ接合体では完全に欠損していることが確認された。 2,mDP1ノックアウトマウスの体重の変化 mDP1ノックアウトマヴスはメンデルの法則に従い生まれた。通常食にては,野生型とノックアウトマウスでは,体重増加に変化を認めなかったが,高脂肪食投与により,肥満抵抗性を示し体重の増加が抑制された。 3,mDP1ノックアウトマウス耐糖能並びに血清脂質の変化 糖負荷試験を行い,mDP1ノックアウトマウスの耐糖能は正常であったが,血清中性脂肪が著明に低下していることが判明した。
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