研究課題
今回CNPの軟骨無形成症治療薬としての臨床応用へ向け、serum amyloid P component(SAP)プロモーターを用いて肝臓でCNPを過剰発現、分泌し、循環血液中CNP濃度が上昇しCNPを全身投与するのと同様の効果を発揮させる目的で、SAP-CNPトランスジーンを57BL/6Jマウス卵子に注入し、サザンブロトット解析により、3系統のCNPトランスジェニックマウス(SAP-cnp-tgマウス)を得た。生後20週齢までの吻臀長、吻尾長は野生型に比較し、10%程度の増加を認めた。軟X線撮影による解析では長管骨長、椎骨長が約10%伸長を認めた。脛骨成長板の組織像は既報の軟骨CNP過剰発現マウス(col2-cnp-tg)と同様に成長板軟骨の前肥大化軟骨細胞部分の増大を観察し、同部位に2型コラーゲン、10型コラーゲンの発現を確認した。さらにRT-PCRによる肝臓でのCNPmRNAの発現量と骨の伸長に相関関係を認めたこと、SAP-cnp-tgマウス由来脛骨器官培養ではcol2-cnp-tgに認めた内因性CNPによる成長板軟骨の過剰伸長は認めなかったことから、血中CNP濃度上昇が成長板軟骨の伸長に有効であることが証明された。次に、四肢短縮型小人症のモデルマウスであるnppc-/-マウスとSAP-cnp-tgマウスを交配し、SAP-cnp-tg/nppc-/-マウスを作製した。SAP-cnp-tg/nppc-/-マウスは吻臀長、体重ともnppc-/-マウスと比較し有意に増加を認めた。組織学的にも脛骨成長板がSAP-cnp-tg/nppc-/-マウスにおいては伸長を認め、血液中のCNPが四肢短縮型小人症の治療に有用であることが示された。平行して合成CNP投与を行い、CNP22の持続静脈内投与により、マウス吻臀長の伸長促進効果を認めた。
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