研究課題/領域番号 |
17590963
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
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研究分担者 |
岩田 武男 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10350399)
水澤 典子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80254746)
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キーワード | 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 内分泌 / 副甲状腺 / 遺伝性腫瘍 |
研究概要 |
家族性副甲状腺機能亢進症6家系において、顎腫瘍を伴う遺伝性副甲状腺機能亢進症(hyperparathyroidism-jaw tumor syndrome, HPT-JT)の原因遺伝子であるHRPT2の胚細胞変異を2家系に認めた。 HRPT2の遺伝子産物であるparafibrominはRNAの転写に必要なPaf1複合体の構成成分であることを明らかにした。293FT細胞においてparafibrominと共沈する蛋白を質量分析計で検討したところ、Paf1複合体の構成成分であるPaf1、Leo1、Ctr9と蛋白問相互作用することを確認した。 HRPT2を293細胞やNIH3T3細胞に一過性に過剰発現させると細胞増殖を抑制すること、一方SV40 large T抗原(LT)を発現している293FT細胞やCOS7細胞に一過性に過剰発現させると、細胞周期のS期画分を増加させることにより、細胞増殖を促進させることを認めた。細胞にタグを付加したparafibrominおよびLTを導入後、細胞抽出液を免疫沈降することによりparafibrominの218-263アミノ酸とLTの361-481アミノ酸が蛋白相互作用することを見いだした。また、この蛋白間相互作用はin vitroで合成したparafibrominおよびLTにても確認された。すなわち、parafibrominは通常は癌抑制蛋白として働くが、LT発現下では細胞増殖を正に制御するという二面性を有していることが明らかとなった。
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