研究概要 |
本研究において健常人末梢血単核球およびドナーG-CSF動員末梢血単核球(G-PBMC)、患者G-CSF動員末梢血単核球さらには臍帯血より抑制性NK(細胞受容体(CD94/NKG2A)発現CD8細胞の増幅がIL-15とOKT3抗体を組み合わせた刺激培養法により可能であることが明らかとなった。 またこの方法によって培養増幅した抑制性NK細胞受容体(CD94/NKG2A)発現CD8細胞はHLA class I分子の発現が低下した培養腫瘍細胞、白血病細胞さらには患者白血病細胞を効率よく傷害することができた。 このことにより同種末梢血幹細胞移植用のG-PBMCを一部保存しておき、移植後の再発などの際に必要に応じて抑制性NK細胞受客体発現細胞を増幅し輸注する新しい細胞療法も理論的には可能と考えられた。 また、健常人末梢血単核球、患者G-CSF動員末梢血単核球さらには臍帯血からの抑制性NK細胞受容体発現CD8細胞の増幅も可能であるので、ひろく癌細胞療法としても応用可能であると考えられた。 抑制性NK細胞受容体(CD94/NKG2A)発現の細胞障害活性を制御する分子、特に活性型NK細胞受容体(NKLG2D)の発現と白血病細胞におけるそのリガンド(MICA/B, ULBP)の発現などについての知見も得られつつある。
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