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2005 年度 実績報告書

血液細胞の分化と増殖を制御する転写因子GATA-1とGATA-2の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590979
研究機関筑波大学

研究代表者

清水 律子  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40226262)

キーワードGATA-1 / GATA-2 / 条件付き遺伝子ノックアウト / 赤血球 / 巨核球 / 造血肝細胞 / 増殖と分化
研究概要

GATA因子群に属する転写因子GATA-1およびGATA-2は,いずれも血液系細胞に発現しているが,GATA-1が赤血球・巨核球系細胞の分化した細胞に発現しているのに対し,GATA-2は造血幹細胞や未熟な前駆細胞を中心に発現し,互いにその発現を調節していることが明らかになっている.したがってこれらの発現制御や機能を個体の中で解析することが,造血細胞の分化メカニズムの解明に重要と考えられる.ところが,GATA-1やGATA-2の単純な遺伝子破壊マウスは,造血機能不全により胎生期に死亡するため,成獣造血組織におけるこれらの転写因子機能を検討することは困難である.そこで、条件付き遺伝子ノックアウト(CKO)の手法を用いて,誘導的・細胞系列特異的に血液細胞でのGATA-1やGATA-2の発現を抑制し、成獣個体における赤血球・巨核球分化のメカニズムを解析することを試みた.まず,pI-pC投与により誘導的にCreリコンビナーゼを発現するMX1-CreとGATA-1 CKOとの遺伝子改変複合体マウスにpI-pCを投与し,誘導的にGATA-1の機能を減弱させたところ,重度の血小板減少と中等度の貧血を呈した.骨髄は白色調で成熟した赤血球系前駆細胞の減少およびc-kit^-CD71^+Ter119^<low>の未分化な前駆細胞の蓄積と,GATA-1を発現していない巨核球の増加を認めた.このことは,恒常的な造血調節には,GATA-1による赤血球系,巨核球系細胞の分化調節が必須であることを示す.このGATA-1 CKOマウスを用いた血球細胞の分化調節機構の詳細な解析とともに,GATA-2 CKOマウスを用いた遺伝子誘導的ノックアウトを用いた造血幹細胞の細胞自立的な増殖・分化の解析も進行中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Rapid turnover of GATA-2 via ubiquitin-proteasome protein degradation pathway2005

    • 著者名/発表者名
      Minegishi, N., et al.
    • 雑誌名

      Gene Cells 10

      ページ: 693-704

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Gene expression regulation and domain function of hematopoietic GATA factors2005

    • 著者名/発表者名
      Shimizu R., et al.
    • 雑誌名

      Semin.Cell Dev.Biol. 16

      ページ: 129-136

  • [雑誌論文] Transgenic over-expression of GATA-1 mutant lacking N-finger domain causes hemolytic syndrome in mouse erythroid cells2005

    • 著者名/発表者名
      Nakano, M., et al.
    • 雑誌名

      Gene Cells 10

      ページ: 47-62

  • [雑誌論文] Graded levels of GATA-1 expression modulate survival, proliferation and differentiation of erythroid progenitors2005

    • 著者名/発表者名
      Pan, X., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 22385-22394

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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